飛んで火にいる夏の虫

会社に戻った私はそのお客様の自宅をゼンリンの住宅地図で確認してみました。

「WOW! 駅近くの電鉄系分譲地じゃん♪これだと8000万くらいかな。」

「でもって買いが6000万だから、両手で往復ビンタでいけば850万か…。悪くねえな…。」

(両手というのは売主も買主も私のお客さんで決めてしまうこと。往復ビンタとは売却物件も購入物件も私が決めてしまうという私の造語です。)

既にこのお客様の自宅は〇急リバブルで売りに出されていました。さっそくお電話を申し上げ、

「先ほどはありがとうございました。ところでもうご自宅は募集をかけていらっしゃったんですね…。で、どうです?リバブルさんでお客様は決まりそうですか?」

「あまりパッとしない…。そうですか…。やはりチャンネルは複数あった方が良いかと思いますよ。自分で言うのもなんですが、うちは『朝も早よからイケイケドンドン』の〇友ですからね…。好き嫌いはあるでしょうが、結果だけは出しますよ♡

「とりあえずリバブルさんには『なかなか決まらないようだから一般媒介に切り替える。』と電話してください。そのうえでうちでも同じ条件で即刻買主さんをお探ししますよ。」

「OKですか。ありがとうございます。それでは善は急げと申しますから、今からお伺いしますので媒介契約書にサインを頂きたいのですが…。」

「今晩は都合が悪い?明日ならOKですか…。それでは明日朝一番でご自宅にお伺いいたしますね。」

「はい?自宅でなくても良いか?まぁ、一度中を拝見したいとは思うのですが…、まぁ一日も早く決めたいですからね…。とりあえず外出先でも結構ですから、認印だけは持ってきてくださいね。私が契約書をもってお客様の外出先までお伺いいたしますよ。で、どこに行けばよろしいでしょうか?」

「はい、新横浜ですね。かしこまりました。明日お会いできるのを楽しみにしております♪」

私より楽しみにしていたのは実はお客様の方だったのです…。

顕正会員だったら分かるよね?